どこかのだれかの

いつもお願いしてた車やさんにたのんだらバッテリーやすかったぽよ

やったねぽんちゃんバレンタイン更新しようか。


あまい・あまい１

空には排煙の混じる黒雲が佇み細い雨が降り続いて、クロは寒いからか暖房の前で寝そべって大人しくしている。
「これは…やまないわね」
少し買い物に出掛けたかったのだけど、足が重くなる。
今日はミスタ・ホームズのお手伝いは休みだし、抱えている仕事もない。
頂き物のバターが古くなっていたことを思い出して、お菓子を作ろうかしらと教わったレシピのメモを探す。
　工程は覚えている。材料が高いのでそこまでまめには作れないけれど、たまに作って子供達に配っている。
焼きたてを一枚囓る。味は悪くない。と、思う。
冷めるのを待って、袋に詰めていく。
「シャーリィと、アーシェと、おばさまと、後はザックと子供達と」
毎度同じでは芸がないので今回は少しナッツを混ぜてみた。
喜んでくれると良いのだけれど。
「…」
それに、もう一つ作る。
まぁ、ほら。
渡せるかは分からないけれど、一応ね。

「…会いたいな」

口に出してしまってから激しく後悔した。
やだ。何を。
無しよ、今のは、取り消し。
クロの方を見てみたけれどさっきと同じ体勢のままでほっとする。
クロは犬なのだし、そこまで気にする必要はないのだろうけど。
恥ずかしい物は恥ずかしい。

空の色が暗くなってきている。
ビスケットを届けるのは明日にして今日はもう本を読んで寝ようと決めて、あたしは読みかけの本を探す。

と、ふいにドアをノックする音がした。
「…？」


つづく


最近はうめだまさんの英国ブログを見ながら微笑ましい妄想をしていきています（トランプの原稿もやってますよん）

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